1.『専門医研修コアカリキュラムと「問題と解説」増補改訂版』
過去の専門医試験の問題と解説がまとめられている本です。通称「緑の問題集」。

国試(医師免許)のときの過去問みたいな問題集です。(昭和時代の記憶ですが)
問題と解答だけでなく、詳しい解説がついています。問題をドンドン解いていく、というよりも、解説を読みながら理解を深めていくような問題集です。
近年中に改定されるという噂があります。現在掲載されている問題がそのまま改訂版に残るかどうかはわからないので、現在販売されている問題集を是非手に入れていただきたいと思います。
問い合わせ先:一般社団法人日本東洋医学会事務局
〒105-0022 東京都港区海岸1-9-18 国際浜松町ビル6F
電話03-5733-5060 FAX 03-5733-5078
ちなみに、過去問そのものは販売されていません。
試験が終わったら問題は回収されて、持ち帰ることができません。
この「問題集」を繰り返し勉強するだけで、漢方専門医の筆記試験はバッチリです。
2018年の、私の受けた試験も、この「問題集」から多く出題されていました。
筆記試験は、マークシート方式です。『次のうちから正しいものを選べ』というような設問です。
問題集の目次
- 漢方医学の歴史 31問(19ページ)
- 漢方医学的診断・治療理念 48問(27ページ)
- 生薬とその薬理 18問(13ページ)
- 方剤とその薬理 175問(133ページ)
- 古典 93問(57ページ)
- 副作用・使用上の注意 6問 (4ページ)
- 臨床 199問(227ページ)
- 鍼灸 47問(27ページ)
問題数、ページ数に差がありますね。実際の試験問題の出題数も、同じようなバランスです。
注意点1:正誤表
私は正誤表の存在に気づかず、問題の解答を読んでも理解できなくて悩んだ時間がありました。お気を付けください。
問題集を解く前に正誤表を先に見てしまうと、正解を先に見てしまうことになるので、いつ正誤表を見るかは悩むところです。正誤表の最新版は私は漢方メーカーさんからもらいました。
注意点2:鍼灸
試験問題は、湯液と鍼灸の2種類があり、選択制です。
私は湯液を選ぶので、鍼灸の問題は解かなくてよかったのです。
しかしそのことを知らず、問題集の鍼灸の問題を解いて鍼灸の勉強を始めてしまいました。
鍼灸は勉強しなくてもよかったということを途中で知り、ホッとしたような、時間の無駄だったような複雑な気持ちになりました。
将来的には鍼灸の勉強も大事だと思いますが、受験前で忙しい時は時間との勝負です。
皆様はお気をつけ下さいませ。
追記 鍼灸問題について!!
試験問題告示に、「選択問題は 2019 年から廃止し、鍼灸問題も含まれる」とあります!!!!
鍼灸の問題も解かなければならないのですね!!
大変失礼いたしました!!!!! 追記2020年7月27日
アドバイス:勉強する仲間を見つけましょう!
この問題集を解くのに、実をいいますと自分一人の勉強では限界がありました。
問題集の最初の歴史の部分や古典、方剤の構成生薬については、もともと好きな分野であることもあり、参考図書を読み過ぎた気もします。そして症例問題は、「基本ができていれば大丈夫でしょう。」「日頃の診療をイメージして解けばいいのよね。」などとタカをくくっていました。
ところがそんなに簡単ではありませんでした。症例問題は、ほとんどが内科、婦人科、整形外科の領域から出されています。私の専門領域は小児科なので、自分の経験値だけで問題解決するのは困難でした。
そして合格された先輩方からのアドバイスは、「症例問題を解くのに時間がかかるので気を付けて。」でした。症例問題対策が必要なのです。
そこで、とある漢方の製薬メーカーMRさんに、問題集を解くのにつきあっていただきました。
最初は、私が勉強しているかどうか監視して、というくらいの気持ちで勉強につきあって、とお願いしたのですが、監視役ではなく家庭教師として素晴らしい役目を果たしてくださいました。今後このブログの中ではこの方を「家庭教師先生」と呼ばせていただきます。
勉強は、私の外来診療の終わった後、基本19時30分から、場合によっては20時過ぎから始めました。週に一回を目標に、実際には月に3回くらい。私が問題集を解いて、私から質問があれば家庭教師先生が説明してくれ、また、必要な本やサイトを教えていただいたりしました。
家庭教師先生の存在がなければ、さぼりやすく、多忙などの言い訳をしやすい自分が、専門医試験に一発合格できたかどうかわかりません。会社の規定で個人名を出すと家庭教師先生にご迷惑がかかるといけないので、今回は感謝の気持ちを申し上げるだけにしておきます。心から申し上げます。本当にありがとうございました。
研修先の東京女子医科大学東洋医学研究所の先輩方からも貴重なアドバイスいただき、心から感謝しています。指導医の木村容子先生、外来陪席をさせていただいた川島春佳先生、医局の先生方、誠にありがとうございました。東洋医学研究所の素晴らしい先生方についてはまた別の頁でお話ししたいと思います。
また、仲間ではなく先輩ですが、竹越耳鼻咽喉科医院の竹越哲男先生にも深謝いたします。
竹越先生は“耳鼻科漢方の伝道師”として有名な先生ですが、2017年の漢方専門医を受験され、もちろん見事に一発合格されました。受験のためにどのくらい勉強されたかお聞きしましたところ快く教えてくださり、この問題集を「4回解いた」と教えてくださいました。竹越先生ほどの実力者なら、「緑の問題集は1回サラッと解いただけですが合格しました♪」とおっしゃっても皆さん信じたと思いますが、正直に4回解いたとおっしゃって下さいました。
「あの竹越先生が!4回!」それを聞いて、「私は10回以上解かなければ!」と、心に誓いました。私が受験する約1年前のことでした。
竹越先生、ありがとうございました!
実際に私が問題集を解いた回数は、時間切れのため6回くらいでした。私の勉強の経過についてはまた別の項目でお話しします。
皆様、緑の問題集を是非手に入れて、解いてみてくださいね!
次に紹介したい参考図書は、傷寒論です。それではまた。

【索引】全項目、生薬、処方(あいうえお順)、処方(番号順)、効能・効果・適応疾患、過去問まとめ、ブログ記事一覧