【問題099】アルドステロン症患者に禁忌の漢方処方はどれか。
- 八味地黄丸
- 荊芥連翹湯
- 人参湯
- 小柴胡湯
- 半夏瀉心湯
アルドステロン症は血清カリウムが低下することにより、血圧上昇、浮腫、体重増加、脱力感、四肢の痙攣麻痺などの症状をきたす疾患である。
甘草に含まれるグリチルリチンの代謝産物であるグリチルレチン酸には、尿細管でのカリウム排泄促進作用があり、低カリウム血症をきたし、偽アルドステロン症をおこす危険がある。
甘草を2.5g/日以上含む方剤はアルドステロン症の患者、ミオパシーのある患者、低カリウム血症のある患者には禁忌である。
甘草を2.5g/日以上含む方剤
(あいうえお順)
- 黄芩湯
- 黄連湯(120番)
- 乙字湯(3番)
- 甘草湯
- 甘麦大棗湯(72番)
- 桔梗湯(138番)
- 芎帰膠艾湯(77番)
- 桂枝人参湯
- 五淋散(56番)
- 炙甘草湯(64番)
- 芍薬甘草湯(68番)
- 芍薬甘草附子湯
- 小青竜湯(19番)
- 人参湯(32番)
- 排膿散及湯(122番)
- 半夏瀉心湯(14番)
- 附子理中湯
というわけで、問題099の解答は、人参湯、半夏瀉心湯、です。
日常診療でも、甘草を多く含む処方を行うときには、浮腫、脱力感、四肢のしびれが出現しないか気をつけなければなりません。
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