うんけいとう エキス剤106番
<構成生薬>川芎、当帰、阿膠、芍薬、甘草、人参、桂皮、牡丹皮、呉茱萸、麦門冬、半夏、生姜
=芎帰膠艾湯(77番) -地黄、艾葉 +桂皮、牡丹皮、呉茱萸、麦門冬、半夏、生姜
<出典>『金匱要略』張仲景
婦人雑病脈篇
「婦人年五十所、下痢を病みて数十日止まず、暮には則ち発熱しし、小腹裏急し、腹満し、手掌煩熱し、唇口乾燥するは、何ぞや、師の曰く、此の病、帯下に属す。何を以ての故ぞ、曾(かつ)て半産を経て、瘀血小腹に在りて去らず。何を以て之を知るや、其の証、唇口乾燥す。故に之を知る。当に温経湯を以て之を主るべし。
亦た、婦人、小腹寒えて久しく受胎せざるを主る。兼ねて崩中去血、或は月水(月経のこと)の来ること過多、及び期に至って来たらざるを治す。」
<効能>
- 【ツムラ・他】手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ。
- 【コタロー】冷え症で手掌がほてり、口唇が乾燥しやすいつぎの諸症に用いる。指掌角皮症、更年期神経症、月経不順、月経過多、月経痛、頭痛、腰痛、帯下。
メモ:不妊症、更年期障害、月経異常、主婦湿疹
当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、芎帰膠艾湯、桂枝茯苓丸、の一部が含まれて婦人科疾患に効き、滋潤剤の麦門冬、当帰、人参、阿膠を含み、皮膚乾燥湿疹にも効く。
気の上逆、冷えのぼせ。
瘀血という言葉が用いられているのは、傷寒論、金匱要略の中では温経湯のみ。(要確認)
<動画>
漢方覚え歌(構成生薬の覚え方)をYouTubeにアップしました。
<鑑別>
- 温清飲(57番)
- 加味逍遥散(24番)
- 桂枝茯苓丸(25番)
- 当帰芍薬散
- 当帰建中湯(123番)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(38番)
- 芎帰膠艾湯(77番)
- 三物黄芩湯(121番):手のほてりで要鑑別。
- 女神散(67番):月経痛で要鑑別。
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