ごれいさん 17番
<出典> 『傷寒論』『金匱要略』
<効能>
- 【ツムラ】口渇、尿量減少するものの次の諸症:浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病。
- 【クラシエ・他】のどが渇いて、尿量が少なく、はき気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水瀉性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ。
- 【コタロー】咽喉がかわいて、水を飲むにも拘らず、尿量減少するもの、頭痛、頭重、頭汗、悪心、嘔吐、あるいは浮腫を伴うもの。急性胃腸カタル、小児・乳児の下痢、宿酔、暑気あたり、黄疸、腎炎、ネフローゼ、膀胱カタル。
- 【三和】口渇、めまい、頭痛、浮腫などのあるものの次の諸症:急性胃腸カタル、はきけ、ネフローゼ。
<使用目標>
- 利水剤の代表的存在
- 体液の調節機能の障害、細胞内外の水の代謝の変動で、むくみ、浮腫、腎炎・ネフローゼ症候群、急性胃腸炎、下痢症、頭痛、めまい、など様々な症状に用いられる。
- 痰飲、水飲、水毒、…
- 口渇、尿量減少。慢性疾患では尿量減少は不明な場合あり。
- 舌:歯痕あり。
- 嘔気・嘔吐:急性胃腸炎の初期で、発熱、嘔吐、下痢、腹痛のあるとき、小児に用いることが多い。口渇が強くて水を飲みたがるが、飲んだ直後に吐いてしまい、また口渇を訴えて水を飲みたがる、という症状が特徴的。
<鑑別>
<口渇・嘔吐・嘔気>
- 小半夏加茯苓湯(21番)…急性胃腸炎の嘔気で鑑別。発熱なく、口渇も軽い。頭痛はない。胃内停水が著名。
- 人参湯(32番)…やせ形で胃下垂ぎみ、心下部の振水音。
- 白虎加人参湯(34番)…熱中症、日射病のときに鑑別。白虎加人参湯では嘔吐、下痢、浮腫、尿量減少はない。
<頭痛>
- 呉茱萸湯(31番)…冷え性の人で発作時に頭痛がおこる。
<めまい>
<尿量減少>
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