だいさいことう エキス剤8番
<出典>『傷寒論』『金匱要略』
- (傷寒論、太陽病)「太陽病、過経十余日、反て二三之を下し、後ち四五日、柴胡の証仍在る者には、先ず小柴胡湯を與う、嘔止まず、心下急、鬱々微煩する者は、未だ解せずと為すなり、大柴胡湯を與えて、之を下せば、則ち愈ゆ。」
- 「傷寒、十余日、熱結裏に在り、復た、往来寒熱する者には、大柴胡湯を與う。但だ、結胸し、大熱無き者は、此れ水結、胸脇に在りと為す也。但だ頭に微汗出ずる者は、大陥胸湯之を主る。」
- 「傷寒発熱汗出でて解せず、心中痞鞕嘔吐して下痢する者は、大柴胡湯之を主る。」
- (可下病)「傷寒の後、脈沈、沈なる者は、内実なり、下して之を解せ、大柴胡湯に宜し。」
<効能>
- 【ツムラ】比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症:胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症。
- 【クラシエ・他】がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向のあるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘、肩こり、肥胖症(肥満症)。
- 【コタロー】肝臓部圧迫感、またはみぞおちが硬く張って、胸や脇腹にも痛みや圧迫感があり、便秘するもの、あるいはかえって下痢するもの、耳鳴、肩こり、疲労感、食欲減退などを伴うこともあるもの。高血圧、動脈硬化、常習便秘、肥満症、黄疸、胆石症、胆のう炎、胃腸病、気管支喘息、不眠症、神経衰弱、陰萎、痔疾、半身不随。
- 【三和】胸やわき腹に圧迫感や痛みがあって胃部が硬く、つかえて便秘するもの。あるいは下痢したり、耳鳴り、食欲減退、疲労などを伴うものの次の諸症:胆嚢炎、胆石症、黄疸、胃腸カタル、動脈硬化、高血圧症、脳溢血、半身不随、肥満症、喘息、神経衰弱、不眠症、常習便秘、痔疾、肋間神経痛。
<使用目標>
- 実証
- 肩こり
- 心下急、広い範囲に胸脇苦満
<試験対策>
柴胡剤で甘草を含まないのは、大柴胡湯(8番)と柴胡加竜骨牡蛎湯(12番)の2つだけ。
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